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タイ旅行でカルチャーショックをうける話2(自叙伝035)

タイ旅行でカルチャーショックをうける話2(放浪記035)

バンコク

 
 
 
 
出発したのは3月の初め。
 
大阪はまだ冬を抜け出したところで、春が芽吹く前、肌寒かった。
 
 
 

友人と天王寺の駅で待ち合わせをして、関空へ向かう。

 
 
僕たちは、これから始まる未知の冒険に胸を躍らせていた。
 
 

税関の作業なども簡単に済み、飛行機は無事にタイの首都バンコクに着いた。

 

空港から外に出て最初に驚いたのが気候の違い。

3月の初めで、ここまで暑いとは想像を超えていた。

想定外の蒸し暑さが、より一層の旅っぽさを醸し出す。
 
 
 

持ってきていた”地球の歩き方”と言う、バックパッカー向けのガイドブックを頼りに路線バスに乗った。

 
目的地は、アジアを旅するバックパッカーの玄関口と言われる『カオサン』と呼ばれる地域だ。
 
話によると空港から一旦この街に行って、バスのチケットや買い物を済ませて、南の島などへ向かうのが良いという。
 
 
 

バスを降りて地図を頼りにカオサン・ロードと呼ばれる通りへ行くと、一気に人口密度が増した。

 
 
あらゆる人種の、あらゆる年齢層が通りにあふれ活気に満ちている。
 
 

路上には屋台が立ち並び、うちで食べていけと呼び声がかかる。

土産物屋は土産物屋で、商品棚は店から大きくはみ出して歩道を占拠している。
 
そこにタクシーの客引きとホテルの客引きがやって来て、我先にと観光客をどこかへ連れて行こうとする。
 
 
 
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僕たちは、こう言った客引きたちについて行っては危ないと聞いていたので、彼らの声を無視して目的の宿へと足を進める。
 
 

多少、英語を話すAくんのおかげで宿泊手続きを済まし、翌日出発のパンガン島行きへのチケットを購入した。

 
 
バンコクには今後もなんども寄る予定なので、バンコクの観光は後回しにして、さっさと南国のパラダイスへ行ってしまおうという考えだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

南へ

 
 
 
 

僕たちはパンガン島を目指し、夜行バスに乗った。

 
 

首都バンコクの昼間の暑さと打って変わって、夜行バス内は冷房が最大値に設定されており、涼しいを通り越して寒かった。

初春の日本から来た僕たちは、暖かい服を持っていたので助かったが、東南アジアだけを旅行していて暖かい服を持っていない人は、必ずと言っていいほど風邪を引くようなレベルの冷房だ。
 
乗客の多くは、冷風の噴出口にタオルを詰めて寒さを防いでいる。
 
 
こうなってくると、一体なんのための冷房かわけが分からなくなってくるが。
 
 

僕たちが乗ったのは寝台バスだったので、足を伸ばして真横になれる空間があり、高速道路を一直線に南へ向かうので揺れは少なく、意外にもよく眠れた。

 
 

朝になると、大陸側のパンガン島の近くの港までたどり着いた。

 
 
そこで島へ向かうフェリーに乗り換える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

フェリーでの出会い

 
 
 
 

このフェリーで、面白い日本人たちに出会った。

 
 
 

普段日本だと、同じバスに乗っていたとしても話しかけて仲良くなったりはしないが、乗員200名ほどのフェリーで唯一の日本人同士だということで気軽に話しかけることが出来た。

 
 
 
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一人は丸坊主のIさん、一人は長髪のTさん。
 
 
年齢は僕たちよりもひと回り上の20代後半くらいだろうか。
 
 

肌は日本人離れしてこんがりと焼けており、ゆるゆるのTシャツにゆるゆるのタイパンツ(フィッシャーマンパンツ)と言った格好で、旅慣れてリラックスしているように見える。

 
 
今までに出会ったことのないタイプの人たちで、異常に気さくで大らかで親しげ。
 
 
 

初春の日本からやって来た、色白の映画オタクで未知の環境に緊張している僕たちとは対照的だ。

 
余談だが僕は映画好きが高じて、家中の窓ガラスにアルミホイルを貼って完全に日光を遮断していたので、なおさら肌が白かった。
 
 
 

話を聞いてみると彼らは、何度もアジア各地を旅しており、このパンガン島へ来るのも既に数度目だという。

 
車を作る工場で数ヶ月働いてお金を貯めては、物価の安い国を数ヶ月旅するという暮らしを数年続けているらしい。
 

そう言う生き方をしている人たちがいると言う噂は聞いていたし、タイを旅行すれば会うだろうと思っていたが、思いの外に早い出会いだった。

 
 
 

彼らは毎年行っているお気に入りのゲストハウスがあり、そこは島の繁華街からは離れていて、静かでプライベートビーチもあって、しかもかなり安い宿代で泊まれるという。

 
旅人の『生きた口コミ情報』というやつだ。
 
 
 

興味を持った僕たちは、一緒について行ってもいいかと尋ねると快く承諾してくれたので、彼らの向かう旅人の宿へと向かうことにした。

 
 
 
 
 
 
 
つづく。。。
 
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